最近、服の値段が上がっていると思いませんか?
デザイナーズブランドの服もセレクトショップのオリジナルも高いと感じることが多くなりました。
確かに去年と比べると気持ち程度なのですが、ちょっと前と比べると・・。
今回はそんなお話です。
服のインフレが凄まじい
安倍総理の3本の矢政策により日本はデフレ脱却を目指しています。掲げている目標は2%のインフレ。
ですが服に関しては2%どころか20%くらい上がっているような実感です。
一例として私が長らく見てきたズッカの服を挙げてみます。
私がズッカを買い始めたのは2011AWから。ちょうどデザイナーの小野塚さんが引退して、新生ズッカになった1stシーズンからです。
その時からの大体の価格の推移がこんな感じ。
- カットソー:9000円→12000円
- シャツ:16000円→23000円
- チノパン:18000円→22000円
- デニム:28000円→30000円
- ジャケット:50000円→70000円
- コート:55000円→80000円
不況真っただ中の2013年頃に一度価格の見直しがあって安くなったのですが、そこから年々上がり続けています。
どう考えても2%で収まらない・・。唯一あまり変化がないのってデニムくらいです(ズッカのデニムは凝っているデザインが多いので元々高い)。
セールの値引き率も悪くなった
日本の景気が良くなるにつれて、セールの値引き率も悪くなりました。
再びズッカを例に挙げると、2011年は40%OFFから、2012年になると50%OFFからのスタートするアイテムも多数ありました。中にはいきなり70%OFFというアイテムも。
約1カ月後には最終セール価格になり、全てが70%OFFになったと記憶しています。
それが現在ではセールのスタートが30%OFFからに。最終セールでも半額までに抑えられています。
まぁ、セールに関しては昔が異常だったと言えるでしょう。
ただ定価が上がった&割引率が悪くなったのWパンチで、セールのお買い得感があまり感じられなくなったのは事実です。
理由は生産コストの高騰
現在、ズッカに限らず多くのブランドで値上げが行われています。
その理由としてよく言われるのが生産コストの高騰。円安により海外での製造や商品調達にお金がかかるようになりました。
特に中国の人件費上昇がすごいです。2011年から2015年で人件費が2倍になったという報告もあります。
最近、ベトナム製やミャンマー製を多く見るようになったのは、これが原因。アパレル業界では脱中国の動きが加速しています。
それでもまだまだ技術的な面で中国に依存している部分は大きく、コスト改善とまでは至っていません。
日本人の給料は上がっていない
本来、服の価格が上がっても、給料が上がっているなら問題ないわけです。
ですがここ20年で日本人男性の所得はほぼ横ばいです。※女性は若干増えています。
服の価格が大幅に上がっているのに、所得は増えていない。つまり相対的に貧しくなっているということです。
消費者を納得させる説明を
服の価格上昇や所得の横ばいはある意味どうしようもないことです。
こればかりは世界経済の流れや政策によるものなので、消費者がどうこうできるレベルではないです。
だからこれらを受け入れた上で、アパレル企業にお願いしたいことがあります。
それはなぜこの値段がするのかちゃんと納得させて欲しいこと。アパレル店員さんには商品のこだわりをしっかりと伝えてもらいたい。
商品価格が20%上がった以上、もうノリで買える時代は終わったと思っています。
まとめ
以上、服の値段上がりすぎ問題について書いてきました。
消費者も服の価格には敏感なようで、価格が少し上がっただけで買わなくなっています(例えばアローズとか)。
今はまだインバウンドに支えられている側面もありますが、これも今後どうなるか分かりません。
つくづくアパレル産業というものは水物なのだと思う次第です。
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