今回は元レディース男性店員のただの雑談です。特にこれといった知識的なものはありません(笑)。
セレクトショップに勤めていると誰しもがお気に入りのブランドとそうでないものがあります。
私の場合、特に好きだったのがGVGVとトーガでした。
しかしながらGVGVはまだしもトーガは販売の難易度が高すぎます。どれだけ苦労したことか・・。
そんなお話です。
トーガ好きです
私がなぜこのブランドが好きなのかというと。個性がハッキリしているから。
要はトーガでしか買えないデザインだということです。
メッシュやドッキング、独自の柄々した色使いなど他ブランドに比べて個性が際立っています。
レディースのアパレルってメンズ以上にテイストのよく似たブランドだらけです。
特に赤文字系のブランドに関しては小さな違いはあれど、どこもほぼ同じと言っていいでしょう。
組曲と22オクトーブルなんてタグを隠したら本当に見分けがつきません。
トーガの場合、これとは全く逆。見る人が見ればすぐにトーガと分かるレベルです。完全に変えがきかない存在と言えます。
もしトーガのデザインをあまり好きではなかったとしても、面白いことをやっているのは分かってもらえると思います。
またトーガのメンズラインであるビリリースが好きというのも理由の1つです。
好きなブランドのレディースラインっていうだけで、気になるものですから。
トーガを売るのって難しい
アパレル店員にとって好みのブランドはやはり贔屓したくなるものです。
お客様にも積極的に提案したくなります。
でもトーガだけは別、本当にどうやって売ればいいのか悩みまくりました・・。
ターゲットが狭すぎる
まずはコレ。個性が強いブランドであるが故に人を選びまくります。
基本的にモード系ブランドが好きな人に受けがイイです。
少なくとも近くにギャルソンやヨウジ、他デザイナーズブランドなどのショップがあるべきです。
しかし私のいたショップはヤングレディースフロア。隣がスナイデルやエフデなどの完全な赤文字系でした。
買い回り客の需要が全く期待できません・・(それでもGVGVはある程度売れます)。
着方が分からないアイテム
メッシュ素材のアイテムを中心に着方が分からないものが結構あります。
特に男性店員の場合、自分で着れないので女性店員に着てもらうしかありません。
これだとパッと見の感じは分かるのですが、着心地までは判断不可能・・。
必然的に接客で言うアピールポイントが少なくなってしまいます。
またそういうアイテムってお客さんからしても着回しできないものが多いので避けられがちです。
強気な価格設定
私のショップにあったのはセカンドラインであるトーガプルラでしたが、セカンドラインという価格じゃありません。
メンズでいうとギャルソンオム並み。一般的なデザイナーズブランドに比べても高い部類です。
周りにあった赤文字ブランドの最低2倍、多い時には3倍になる時もあります。
マジでどうやって売れと・・。
紙タグが凶器
これはトーガを扱っている人なら誰もが悩むこと。直営店の店員さんも悩んでいます(笑)。
トーガのタグってシルバーの四角い厚紙です。そしてこれがめっちゃ硬い。角は完全に90°です。
するとどうなるのかというと、店に置いているだけで勝手にタグで自爆していきます。
特にメッシュを使ったアイテムだと、メッシュにタグが引っかかりビリッと・・。
これを防ぐために納品時にまずすることは、タグの四隅を丸く切ることでした。
縫製の甘さに悩む
トーガはデザインにステータスを全振りしているブランドです。あまり縫製には力を入れていません。
製造国を見ても東南アジアが多く、日本製じゃないのかとガッカリすることもしばしば。
酷いときには店に置いているだけで、ワンピースの裾がほどけてきたこともありました(もちろん商品不良で返品)。
高い値段を取っているだけに、縫製が甘いとお客様に申し訳なくなります・・。
まとめ
以上、トーガを売っていた男性店員の憂鬱について書いてきました。
デザイナーズブランドが多いフロアだとまた違ったとは思いますが、ヤングレディースで売るのはどう考えても無理があります。
ただでさえ女性ものを男性が売るっていうだけで難易度が高いのに・・。
最終的にどうなったかというと、店内セールで投げ売りに近い状態で販売しました。それでも残った分は社販という奥の手を使用。
好きなものと売れるものは違うと痛いくらい実感しました。
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