過去記事リライト中。昔の記事も読んでね

クリーニングの落とし穴。汗汚れはドライクリーニングでは落ちないって知ってた?

前回、洋服を長持ちさせる洗濯の仕方について書いたので、クリーニングに関してもちょっとだけ書いておきます。

洗濯もオシャレの一環。服を長持ちさせるオススメの洗濯方法について

今回言いたいのは「通常のドライクリーニングだと汗汚れは落ちないよ」ってことです。

これ、意外と知られていません。クリーニングに出せば全てOKって思っている人の何と多いことか・・(私もアパレル店員になるまで知りませんでした)。

汚れの種類によって適した洗濯方法を使い分けることで、よりキレイにすることができます。

スーツに残った汗汚れの恐ろしいことよ・・

汚れの種類

まず始めに汚れの種類にはどんなものがあるかを確認しておきます。基本的には以下の2つ。

汗汚れ

日常生活で出る一番の汚れと言ったらコレ。

水溶性です。汗は蒸発するので水分は無くなるのですが、汗に含まれるナトリウムやアンモニア、尿素、乳酸などは服に残ってしまいます。

脇の部分が変色するのは発汗量が多いことに加えて、これらの残留成分が化学反応を起こすためです。

皮脂汚れ

人間の皮膚から出る油汚れです。成分の大半は中性脂肪と脂肪酸。

これらの成分が空気中の埃などと反応し黒ずみが起こります。

特にシャツの襟などは生地に直接刷り込む感じになるのでガンコな汚れになりやすいです。

家庭とクリーニング店の洗濯の違い

ではここからは家庭とクリーニング店でどのような洗濯方法が取られているか見ていきます。

家庭の場合

家で洗濯するときは洗濯機を使います。つまり水洗いです。

この場合、汗汚れは落ちやすいですが(水に溶けるため)、皮脂汚れは落ちにくいです。

その結果シャツの襟元には皮脂汚れが蓄積していくことになります。

それを防ぐために襟用に前処理の洗剤が売ってたりするんですよね。

クリーニング店の場合

クリーニング店に持っていく服は家庭で洗濯ができないものが多いです(水洗い不可)。

一般的なクリーニング店で行われている洗濯方法はドライクリーニングと呼ばれています。

これは水の代わりに油性の有機溶剤を使って汚れを落とす方法です。

つまり同じ油性である皮脂汚れが良く落ちます。

反対に汗汚れはほとんど落ちません。全く落ちないわけではないですが、中には70%は残ると言う人もいます。

ウェットクリーニングって何?

実はクリーニング店にも通常のドライクリーニングとは別に汗対策としてウェットクリーニングというコースが存在します。

これは水洗いできないものをクリーニング店の技術を使って無理やり水洗いしてしまおうというもの。

汗汚れをしっかり落とすことが可能です。

ただ通常のドライクリーニングに比べて手間と時間が掛かることからお値段が高くなります。最低でも2倍、高いところだともっと・・。

それでも家で洗えないスーツの汗汚れ対策にはこれが一番有効だと思います。

うまく組み合わせよう

結論としては家庭での水洗い・ドライクリーニング・ウェットクリーニングをうまく組み合わせようということです。

シャツなどは普段は水洗いで、襟の汚れが落ちにくくなってきたらドライクリーニングを使う。

スーツはシーズン終わりにドライクリーニングとウェットクリーニングを行う。ただクリーニングのし過ぎはウールから油分を奪ってしまうことになるので気をつけてください。

以前、汗汚れを検証するために、要らないスーツを家で洗ってみたことがあります。水が真っ黒になりました・・